めくるめく胡蝶蘭ワールド

3月に、胡蝶蘭を買った。2800円だった。

それはそれは可憐な雰囲気にもかかわらず、威風堂々ともしていて、その辺のカラーボックスの上に置いてたら、上から目線で「俺がいる部屋において、その散らかりようはなんだ。さっさと片付けろ。俺が台無しじゃないか」と命令してきそうだった。だから、あわてて部屋を片づけた。俺様な胡蝶蘭のために。

 

7月。胡蝶蘭メンターともいうべき神動画を発見したおかげで、4か月近く花をつけ続けてくれた俺様は、こんどは新しい葉を出してきた。花を切らずに置いとくと、株に負担がかかると言われていたが、この俺様に限っていえば、全然そんなことなかった。葉っぱを伸ばしつつ、根っこにも新緑という単語がぴったりの色の根幹を出してきた。

 

6月7月8月と、それまでの私にとっては ただの時間の連続体に過ぎなかった。昨日の延長線の向こうに明日があった。だけど胡蝶蘭にとっては違う。貴重な成長の時期なのだ。この時期にしっかりした根と葉を出しておかないと、冬は冬眠してしまう。

 

パレートの法則という言葉がある。いまが胡蝶蘭にとっては貴重な成長の2割なのか。私の貴重な2割はいったいどこなのか。

 

漫然と日々を過ごしていた私に、胡蝶蘭は色付きの世界を、パレートの法則における2割を見せてくれたように思う今日この頃。あしたからまた月曜日だ。あ-----